数珠はアルコール消毒NG!?素材ごとの正しいお手入れ方法をご紹介します
葬儀や法要で使用する大切なものなので、正しい方法でお手入れをすることが大事だと言えます。ですが、きちんとやり方を知っている人は少ないです。数珠は部位ごとにお手入れの方法が異なることを理解しておきましょう。更に、数珠の素材ごとに最適な方法が違っていることも知っておくべきです。正しい方法で実施することで長持ちします。大切な数珠を長持ちさせるためにも、基本的なお手入れとNGなお手入れを知っておくと良いです。
数珠の珠部分は柔らかい布で拭き取る
数珠の珠部分は水に弱いことが多いです。水で洗うことは避けるべきであり、柔らかい布で優しく拭き取る方法が正しいやり方だと言えます。木や石、ガラスでできている場合は布で簡単に拭き取れば問題ありませんが、珊瑚や真珠の場合は注意が必要です。珊瑚も真珠も手あかなどの油分に非常に弱いものだと言えます。繊細なものであり、油分が付着したまま放置すると変色や劣化の原因となるでしょう。これらの場合も柔らかい布を使って構いませんが、木や石、ガラス製のものよりも丁寧に拭き取ることが大事です。1つ1つの珠を確実にお手入れし、油分が残ったまま保管することがないようにしてください。どの素材であっても基本的に布を使って拭くというもので問題ないですが、水で洗わないようにすること、珊瑚や真珠の場合はより念入りに行うことに注意しておくと良いです。この方法で実施すると、数珠の美しい状態を維持しやすくなります。
房はヘアブラシや湯煎で整える
房の部分は房を下にして数珠をフックなどにかけ、その状態でヘアブラシで梳かせば綺麗になるはずです。しかしながら、保管方法が悪いときや持ち帰る際にクセがついてしまうことがあります。頑固なクセで梳かしても直らないときには湯煎を行うと良いです。湯煎と言ってもお湯につけるわけではありません。お湯をやかんやお鍋で沸かしたときに沸騰した蒸気を活用し、房を蒸気にあてることでクセを直します。蒸気の上で数珠を軽く振ると房が元に戻ってくるはずなので、最後は手やヘアブラシで形を整えていくと良いです。この方法によって綺麗な状態にすることができますが、注意点があります。正絹、つまり絹100%でない場合は溶ける可能性があり、特に化学繊維の場合は注意が必要です。絹100%であっても長時間の湯煎はおすすめできず、短時間でサッと終わらせることがポイントだと言えます。房にクセがついたときには注意点に気をつけながら、湯煎を行ってみてください。
アルコール消毒や石鹸の使用はNG
しっかりと汚れを落としたいという気持ちから、アルコール消毒や石鹸の使用を検討する人も少なくないです。アルコール消毒や石鹸は汚れを落とすときに大活躍してくれますが、数珠に使うべきではありません。珠部分は水を始めとしてアルコール消毒や石鹸にも弱いですし、房も繊細なものなのでこれらには向いていないです。綺麗にしたいという気持ちから使ってしまうと、反対に数珠の珠や房が傷んでしまう可能性が高いので要注意だと言えます。お手入れの方法が悪ければ珠が変色したりテリが失われてしまったりすることが多いですし、房が縮れたり千切れたりする危険性が高いです。数珠は全体的に繊細なものであることを理解し、柔らかい布で拭いたりブラシで梳かしたり、短時間の湯煎で整えたりする以外の方法を選ばないようにしてください。知識がないまま行ってしまうと、大切な数珠の状態が悪くなったり破損したりするので気をつけておきましょう。
お手入れ後は正しい方法で保管する
数珠のお手入れ後は正しい方法で保管することも重要です。きちんとお手入れしてもこれが悪ければ劣化の原因となります。購入したときや譲り受けた際には桐箱や念珠袋に入れられていたはずですが、しまっておく場合もこれに入れておくべきです。防虫剤も一緒に入れておくと、箪笥などに置いている場合でも虫がついてしまうことがありません。保管する前にドライ拭きをきちんと行い、正しい方法でしまっておくようにすれば、次回の葬儀や法要の際にもトラブルなく気持ちよく使用することができます。お手入れ方法でも説明しましたが、数珠の素材は水分に弱いことが多いです。ですから、保管するときには湿気に気をつけておくことも大事であり、湿気が溜まりやすい場所に置かないようにしてください。窓に近い場所を始めとした湿気の発生しやすい場所を避け、なるべく乾燥している箪笥などに保管しておくとトラブルにならないと知っておきましょう。
まとめ
葬儀や法要で必要な数珠のお手入れ方法は決して難しいものではありません。その一方で、正しい方法を知らずに劣化や破損を引き起こしてしまう人がいることも事実です。数珠を所有している場合は部位ごとのお手入れ方法から素材による違い、NGなやり方や保管方法まで知っておくことをおすすめします。お手入れに関する基本的な知識をきちんと身につけておけば、大切な数珠を劣化させることなく長く使用することができると知っておきましょう。