日本にも存在する?遺族以上に泣き叫ぶ『泣き女』の実態
葬式中に遺族以上に泣き叫ぶ泣き女という人物について聞いたことがある人は多いはずです。実際には見たことがないという人もいれば、それらしい人を見かけたという人もいるかもしれません。泣き女について知りたいのであれば、この女性の特徴や存在している理由、日本でも見かけることができるかどうかなどを知っておくと良いです。これに関して勘違いして覚えている人も少なくないので、正しい知識を身につけておくことをおすすめします。
泣き女の特徴や存在理由
中国やエジプトの葬儀の場合のように、泣き女や笛吹きたちは聖書の世界でも死者の弔いには欠かせないものでした。
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泣き女は葬式の際に号泣する女性のことを指しています。悲しさや寂しさを表現するように泣き叫び、ときには遺族よりも泣き叫んでいる人物です。独特の節をつけて泣くケースもあれば、延々と泣きじゃくるというケースもあります。泣き女の存在理由が分からない人は多いはずですが、この女性は遺族の代わりに悲しみを表現する、参列者の涙を誘うために参加していることが多いです。遺族は悲しみを押し殺しがちですが、泣き女が葬儀に参加することで泣くチャンスやきっかけに繋がることが多いと言えます。また、地域や宗教によっては葬式で参列者が流した涙が故人の生前の徳を示すと考えられており、故人が徳のある人物であったことを示すために泣き女に依頼することが多いです。盛大に涙を流してもらえるだけでなく、周囲の涙を誘うこともできるので効果的だと言えます。このように、泣き女は何となく存在しているのではなく、しっかりとした理由があることを知っておきましょう。
泣き女はれっきとした職業
葬儀で号泣する泣き女はれっきとした職業です。本当に涙を流す必要があるので、誰でも簡単に行える仕事ではないと言えます。これを行える人物が重宝されていた時代や地域もあり、この仕事で生計を立てていたり、副業として泣き女の仕事を引き受けていた人も多いです。日本でも古くに泣き女が存在していましたが、その際はお金の代わりにお米や味噌を受け取ることができました。事前に受け取った報酬の量に応じて泣き方を変えるケースもありましたが、海外には泣き女の活躍ぶりを見て報酬量が決められるケースもあったことを知っておきましょう。呪術を唱えながら行った場合や参列者が大量に涙を流した場合などに、報酬が多くなるケースが多かったです。なじみのない現代人からすると、泣き女の存在は不思議なものに感じられるかもしれませんが、これを実施している地域や過去に行っていた場所では神聖なものだとみなされたり、必要不可欠な職業として認識されていたことが多かったと言えます。
日本では戦前まで存在していた
日本では古事記などの古い書物でも泣き女の存在が明らかとなっていますが、実は戦前までは一部地域で泣き女の風習が残っていました。諸説ありますが、長崎県や沖縄、福井県や高知県を始めとする地域で泣き女が活躍していたと言われています。場所によって呼び方は異なり、泣き手や泣き人と呼ばれることもありました。いずれにしても、歴史の移り変わりとともに風習はなくなっていったと言えます。日本でも遺族の代わりに大声で泣いて故人を悼むこと、死者にとって最高の捧げものである涙の量を増やすことを目的としていましたが、地域によっては悪魔払いや魂を呼び戻すという性質も併せて持っていたことを知っておきましょう。現在では仕事として泣き女が残っているという報告はないので、日本の葬儀で見かけた場合は仕事で泣き女をしている人ではない可能性が高いです。ただし、泣き女が活躍していた場所の場合は、その頃の教えを引き継いで仕事とは関係なく、泣き女の役目を果たそうとする人もいるかもしれません。
海外では現在でも泣き女が見られるケースがある
今の日本では泣き女を見ることができませんが、海外では泣き女の風習が残っている場所もあります。たとえば、韓国や中国は現在でも泣き女の仕事で活躍している人が素材する国です。朝鮮半島や中国では哭礼の儀式があり、子供が親を亡くしたときに周囲の人々が大声を上げて泣くことが習慣となっているのですが、それ以外のケースでも泣き女を配置して涙を誘発させています。エジプトやヨーロッパ、メキシコなどでも古くは泣き女を葬儀で見ることができましたが、現在では日本と同様に風習がなくなっていったと言えるでしょう。泣き女がずっと存在している国は少ないですが、韓国や中国のように今でも風習が続いている地域もあります。この2つの国のことが取り上げられることが多いですが、もしかすると伝統的な風習が残る地域では泣き女が活躍しているかもしれません。こういった場所で葬儀に参加する機会があれば、号泣する泣き女を自分の目で確かめられる可能性があります。
まとめ
葬儀で号泣する泣き女の存在を知っても、存在意義が分からないと感じる人は多いはずです。実際には、遺族や故人のために配置される人材なので、古くからの大切な風習であったことを知っておきましょう。日本では過去に泣き女が活躍していましたし、韓国や中国では現在でも活躍している人がいます。実際に目撃する可能性はかなり低いと言えますが、泣き女の特徴や意味、現在も風習が残っている地域などを知っておくと良いでしょう。